| 位置 | 収支 | 円換算 | コンプ込み |
|---|
| 端末 | 手順 |
|---|---|
| iPhone / iPad (Safari) |
画面下の共有ボタン(□に↑)→ メニューを下にたどって「ホーム画面に追加」→ 右上の「追加」 |
| Android (Chrome) |
右上の︙ → 「アプリをインストール」または「ホーム画面に追加」 |
| パソコン (Chrome / Edge) |
アドレスバー右端のインストールのアイコン(⊕や画面のマーク)を押す |
カジノの無料宿泊プロモを、ブラックジャックで消化するための試算に特化した道具です。
きっかけは、決められた金額をチップに換えて決められた時間だけ遊べば1泊無料になる、という類のキャンペーンでした。条件自体は難しくありません。ただ、ひとつ気になることがありました。いくらハウスエッジの低いゲームでも、ブレがある以上、持ち込んだ金額を全部溶かしてしまうことはあり得ます。それがどのくらいの確率で起きるのか、ブレはどこまで見ておけばいいのか、行く前に知っておきたい。
ベーシックストラテジーの表はいくらでも落ちているのに、破産確率やブレを試算できるものは見つからなかったので、自分用に作りました。せっかくなので公開しています。無料で、登録もインストールも要りません。
先に言っておくと、これは勝つためのツールではありません。ブラックジャックは打てば打つほど負けの方向に収束するゲームです。このツールがやっているのは、決められた条件を、決められた予算で、破産せずに消化しきれるかを事前に確かめることだけです。
シャッフルが CSM(連続シャッフルマシン)でなければカウンティングで期待値をプラスにできる、という話もありますが、現実的ではないのでカウンティングは一切考慮していません。
最初に「計算」タブで、遊ぶ卓のルールを入れます。デッキ数、ディーラーのソフト17、ブラックジャックの配当……と項目が並びますが、いちばん大事なのはブラックジャックの配当です。3:2 と 6:5 では、ハウスエッジが 1.39% も変わります。他のどのルールよりも影響が大きいので、ここだけは必ず確認してください。
各項目の横の ? を押すと、その用語の説明が出ます。全部で47項目ぶん用意したので、「DAS って何だっけ」となっても調べに行かずに済みます。
次に、持込資金・1回の賭け金・プレイ時間を入れます。通貨と円換算レートも設定できるので、ウォンでもドルでもそのまま使えます。
大切なのは1回の賭け金(=卓のミニマム)と、1時間あたりのラウンド数です。現地ではミニマムでのフラットベットを徹底することで負け額を抑えられます。ラウンド数のほうはやってみないと分からないので、現地で入れ直して調整することになると思います。
プロモ側で入れるのは2つだけです。
コンプの価値は、定価ではなく「自分なら実際にいくら払っていたか」で見積もるのが妥当だと思っています。定価5万円のスイートでも、自分ならビジネスホテルに泊まっていたなら価値は1.5万円です。ここを盛ると判断を間違えます。
入力すると、すぐ下に結果が出ます。まずは破産確率。条件分の金額を満額溶かす可能性がどれだけあるかがわかります。仮に2泊分のコンプ条件を予算20万円で8時間とした試算では、破産確率は約3%程となりました。これを高いとみるか低いとみるかはあなた次第!
期待収支は−1万〜−1.5万円ほどでした。2泊の宿泊代金を2泊で5万円弱と仮定すると、差し引きで+3万5千〜+4万円程と、完全にプラスです。
その下の表が、覚悟を決めるためのものです。各行は境目の収支を表しています。
太字にしてあるまん中(中央値)の行が、いちばんありふれた結果です。ここのコンプ込みがプラスなら、その計画はだいたい成立していると考えていいと思います。平均値ではなくこの表を見てほしくて作りました。平均は「起きること」ではなく「ならしたときの値」でしかないので、覚悟の役には立ちません。
数式で出した値は、途中で破産して終わる場合や、勝ち逃げでやめる場合をうまく扱えません。そこで、実際に1ラウンドずつ引いて数万回試す機能を付けました。「実行」を押すと数秒で終わります。最終的な判断はこちらの数字を使ってください。打ち切りまで込みで再現した実測値なので、数式より正確です。
「比較」タブに条件を並べると、違いが一目で分かります。たとえば配当を 3:2 から 6:5 に変えただけで、破産確率もコンプ込みの期待値もまったくの別物になります。「6:5 の卓には座るな」とよく言われますが、自分の予算で数字にしてみると納得感が違います。
チェックリストの先頭にある「ゲームの種類」でフリーベットを選ぶと、計算も戦略表も正解ナビも丸ごと切り替わります。ダブルとスプリットがチップ無しでできる代わりに、ディーラーが22でバーストするとプッシュになるあのゲームです。
見た目ほど得ではありません。標準ルールでのハウスエッジは 1.04%で、同じ条件の通常卓(0.62%)の倍近くあります。いっぽうでプッシュが増えるぶん分散は小さく(標準偏差 1.07 対 1.15)、資金は尽きにくい方向に働きます。エッジと分散が逆を向くので、破産確率とコンプ込みの期待値を両方見て決めてください。
戦略はむしろ簡単になります。ハード9〜11 と 10以外のペアは、すべてフリーダブル・フリースプリットを受ける。これだけ覚えれば大きくは外しません。
ここからは現地向けの機能です。「戦略表」タブに正解ナビを入れました。ディーラーのアップカードと自分の手札を選ぶだけで、その卓のルールに合わせた最善手が吹き出しで出ます。ヒットなら吹き出しを押すと次のカードを入れられるので、手が続いてもそのまま追えます。
「全画面」を押すと、カードとボタンだけの画面になります。現地でスマホで操作することを前提に作りました。
表示している戦略は、入力した卓のルールに追随して作り直されます。サレンダーの有無や DAS の可否で最適手は変わるので、教科書どおりの表をそのまま使うより正確です。ベーシックストラテジーの早見表も同じタブに置いてあります。
卓に着く前に確認することをまとめてあります(通常のブラックジャックで13項目、フリーベットで12項目)。聞き取れた値をプルダウンで選んでチェックを入れると確定・保存され、そのまま計算にも戦略表にも反映されます。「反映ボタン」はありません。ここがその店の記録の本体になります。
記録はカジノ(卓の事実)とプラン(自分の作戦)の2軸で保存されます。店ごとに作っておけば、切り替えるだけで条件が入れ替わります。
通信が無くても開けます。海外でローミングが切れていても起動しますし、1タップで開けます。iPhone では記録も消えにくくなります(Safari のタブで開いているだけだと、7日間開かないと自動的に消えることがあります)。手順は「現地チェックリスト」タブの中に書いてあります。
多くのカジノは、卓での携帯電話の使用を禁じています。休憩中やテーブルを離れているときに確認する使い方を推奨します。店の規約に従ってください。出禁になっては元も子もありません。
そのほか、正直に書いておきます。
精度の限界とできないことは「用語と計算の根拠」タブに詳しく書いてあります。
画面のあちこちにある ? を押すと、その場でも同じ説明が出ます。
このツールは次の順に計算しています。
基準ルールのエッジ 0.40% を出発点に、各ルールの調整値を加減算します。基準は「6デッキ・S17・任意2枚ダブル・DAS可・4ハンドまでスプリット・Aスプリット後1枚・サレンダーなし・ホールカードあり・BJ 3:2」です。
損益を「ブラックジャック/ダブル/スプリット/サレンダー/通常決着」に分解した離散分布を組み、期待値が手順1のハウスエッジと一致するよう、通常決着の勝ち負けの配分を逆算しています。
基準ルールでの再現結果は次のとおりで、実測として知られる値とよく一致します。
| 指標 | このモデル | 実測として知られる値 |
|---|---|---|
| 勝ち | 43.1% | 43.3% |
| 負け | 48.1% | 47.9% |
| プッシュ(引き分け) | 8.8% | 8.8% |
| 標準偏差 σ | 1.150 | 1.14〜1.15 |
BJ配当やサレンダーの有無は分布の形に直接効くので、σ もルールに応じて動きます(3:2 で 1.150、6:5 で 1.134、レイトサレンダー可で 1.137、アーリーで A にも降りられる卓なら 1.119)。これは実際の挙動と一致します。サレンダーはエッジを下げるだけでなく分散も下げるので、破産確率を二重に下げます。降りる手が多い種類ほどこの効果が大きくなります。
資金の増減を「ドリフト(毎回わずかに負ける流れ)を持ったランダムな揺れ」とみなすと、途中で一度でも0に触る確率が数式で書けます。
B = 破産までの余裕額(持込資金 − 続行不能とみなす残高)μ = 1ラウンドあたりの期待値(負の値)σ = 1ラウンドあたりの標準偏差N = 総ラウンド数、Φ = 標準正規分布の累積分布関数N ラウンド後の合計については、期待値は EV = Nμ、標準偏差は SD = σ√N になります。期待値は回数に比例して増えるのに、ブレは回数の平方根でしか増えません。これが「長くやるほど結果が期待値に近づく」ことの正体です。
同じ式に N = 規定ラウンド数 を入れるとプロモ未達確率になります。コンプ込みの期待収支は、これで割り引いています(EV + コンプ価値 × 達成確率)。
損失側のパーセンタイルは持込資金までで頭打ちにしています。破産したらそこでプレイが終わるため、正規分布の裾をそのまま出すと「資金以上に負ける」というあり得ない値になるからです。
同じ分布から1ラウンドずつ標本抽出し、破産・勝ち逃げ・損切りによる打ち切りを含めて数万回試します。解析解が扱えない「離散性」「打ち切り後の挙動」「コンプ獲得の可否」を正しく反映するので、最終的な判断はこちらの数値を使ってください。
複数ボックスを同時に張る場合、同じラウンドの各ハンドは同じディーラーアップカードを共有するので相関します(相関係数 0.5 と仮定)。
2ボックスなら期待損失は2倍ですが、分散は3倍です。ボックスを増やすとリスクだけが跳ね上がります。
大前提として、ブラックジャックは期待値がマイナスのゲームです。長く遊べば必ず負けの方向に収束します。これは勝つためのツールではなく、決められた条件を、決められた予算で、破産せずに消化しきるための道具です。
このツールに加えた変更をすべて残しています。
細かい直しのたびに 0.01、大きく機能が増えたときに 0.10 上がります。
◆ が付いているのが節目の版です。